6Oct

家庭用スチームクリーナーと業務用のスチームクリーナーの性能の違いは「長時間・広範囲」に使えるかどうか、という点がもっとも大きいのではないかと思います。
もちろん、スチームの質やスチームの圧力と言ったスペックにも違いがあるとは思いますが、実はこれは業務用だからと言って大幅に変わるものではありません。
一般家庭用のモデルを数種類と業務用モデルを展開しているケルヒャーのスチームクリーナー(キャニスタータイプ)が、性能の違いを比べる上で好都合なのでご紹介しながらご説明します。
目次
スチームの温度には大きな差はありません
まずお伝えしたいのはスチームの質の話。
スチームの質を構成する要素は大きく三つあると思います。
① スチームの温度
② スチームの圧力
③ ①②を維持する力
スチームの温度と圧力を高質なものにするためには、まず高質なボイラー(水を沸かす装置)が必要になります。
ケルヒャーのような質の、はっきり言ってちょっと高価なスチームクリーナーであれば、このボイラーの質というのは保証されていると考えて良いです。
スチームクリーナーと言えば高温のスチームで汚れを浮かすことに加え、高温ゆえの殺菌効果が期待されますよね。
ケルヒャーのスチームクリーナーにはいくかのモデルがありますが、いずれの製品も100度に限りなく近いスチームを作り出す能力は備わっており、違いはありません。
家庭用と業務用スチームクリーナーを比べるとスチームの圧力は少し変わる
例えばSC2 EASYFIXという、いわばエントリーモデルのような製品では、スチーム圧力は0,3Mpa。
この数字自体は一般的なスチームクリーナーで見られる、標準的なスペックと考えて良いです。
上位モデルのSC4 EASYFIXでは吐出圧力が0,35Mpaと少し上昇しています。
さらに業務用モデルのSG4/4という製品では公式サイトに4バールと表記されていました。4バールは0.3999996MPaなのでおよそ4Mpaとなります。
このように、モデルが上位のものになっていけばいくほど、吐出圧力は増していきます。
これによってどの程度使用感が変わるのかというと、実はいずれにしてもそれほど大きな圧力ではありません。
もちろん0,3Mpaと0,4Mpaを比べれば随分差があるのですが、一般と業務用というレベルの差かと言われれば疑問です。
スチームクリーナーが吐出するのはスチームですから、圧力がかかると言っても吐出口にごく近い部分です。
水道水の圧力が0,2Mpa程度と言いますから、0,3Mpaはそれより少し大きい程度。
0,4Mpaになったところで、痛いかもしれませんが手に触れてケガをしてしまう、というような圧力ではありません。
それでも、何かにこびりついた汚れを取ろうとするとき、0,4Mpaという圧力があるのは心強いものです。
スチームクリーナーの家庭用と業務用の価格差
公式サイトによると
SC2 EASYFIXは21,578円。
上位モデルのSC4 EASYFIXでは42,984円。
それぞれプレミアムモデルがあり、1万円弱ほど値上がりします。
業務用モデルであるSG 4/4のお値段は15万5千円(税抜)。
相当な差がありますね。
業務用スチームクリーナーは何が違うの?
業務用スチームクリーナー(SG4/4)の大きな特徴は3つあります。
① サブタンクがついているので連続使用が可能なこと
② スチームの量をスチームから熱湯まで無段階に調節できること
③ アクセサリーの収納ボックスが本体に用意されていること
など。
これらの特徴は、それなりの広範囲、様々な状況に応じてしっかり掃除できるようになっていること。
スペックについてもう少し詳しく見ていきましょう。
自動給水するサブタンク付きで長時間の連続使用が可能
メインタンクとは独立しているサブタンクがついています。
サブタンクに水を補給することでヒートアップするボイラー部分(メインタンク部分)に自動給水され長時間の連続使用が可能となります。
サブタンクがついていないスチームクリーナーは、タンク内の水を使い切り、中の圧力が下がるまで時間を置いてから給水しなければなりません。
否応なく作業のタイムリミットがあるということです。
しかしサブタンクがついていればその時間を確保する必要がなく、常に水を供給しながら、長時間のお掃除ができるのです。
ちなみに、家庭用でもSC4 EASYFIXとプレミアムモデルには取り外し可能な給水タンクがついており、長時間の連続使用が可能です。
スチームの量と圧力を調整できるようになっている
SG4/4ではスチームの量と圧力から熱湯までの調整ができるようになっています。
勢いの強い細かなスチームを出したいとき、スチームというよりは熱湯を鋭く噴射したいときと、使用する場所や対象の汚れによって細かく変化させることができます。
例えばソファやカーテンの清掃、消臭に使いたいときは細かなスチームが適しています。
一方、ホコリのついたファンなどの掃除には熱湯を鋭く噴射して汚れを取り除きたいと思うはずです。
スチーム量と圧力の無段階調節機能によって、より幅広く、効率よく清掃を行うことができるのです。
アクセサリーの収納ボックスが本体に用意されている
アクセサリー(先端ノズルなど)の収納ボックスが本体に付属しているので、細かなものを持ち歩く必要がなく、広い範囲の建物や施設の中も効率良く作業を進めることができます。
普通のご家庭でしたらアクセサリーは一か所に置いておけば良いですが、広い場所の清掃となるといちいち持ち歩くのもパーツを取りに戻るのも効率が悪いです。
小さな工夫ではありますが、広範囲の清掃を想定すれば嬉しい要素です。
スチームクリーナーの家庭用と業務用との違いまとめ
ケルヒャーのスチームクリーナーをモデルに、家庭用の製品と業務用製品の説明をしました。
スチームのパワーや圧力が大きく違うというよりは、広範囲に渡り、長時間使用できるという稼働持続性や汎用性の方に大きな差があることがお分かりになったと思います。
つまり、業務用のスチームクリーナーを使う場面というのは、清掃が広範囲に渡るかどうか、長時間に及ぶかどうかで判断するということになります。